ISBN978-4-88978-085-7 | 野生のヤマドリが私の肩にとまった。不思議なヤマドリとの交流を綴った感動の物語。 おかしなことがあるものだ。他人の話におどろくことはあったが、まさか自分にもそんなことが起こるとは思わなかった。わが家にヤマドリがやってきた。それが音楽を聴く、いっしょに散歩する、肩に乗る、頭にも乗ってくる‥。 ここは奈良県大和高原、山添村的(まと)野(の)。標高四00メートル、布目川の川筋にある。 私は小学校の教師だったが、望みがかない、退職とともに町から山間のこの小さな村に移ってきた。携帯電話は圏外、家からバス停まで徒歩三十分、奈良の町までバスで一時間というようなところだが、思ったとおり、いや、思っていた以上に自然が豊かで、うれしいことがいっぱいだ。前の川をカワセミが飛び、ササユリやリンドウの花が咲く。夏はホタルが舞い、夜は庭にタヌキやキツネもやって来る‥。人も心がやさしい。 よいところに居を定めることができたと、山の生活を楽しんでいたのだが、妻に先に逝かれてしまった。一人になってすっかりさびしく暮らしていたある日、ちょうど一周忌を終えたばかりのこと、そのヤマドリがやってきたのだ。 |
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![]() 著者とヤマドリ |
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大津 昌昭著 四六判 230頁 定価(本体1500円+税) |
主な目次 | |
九月 ヤマドリがやってきた ヤマドリを見る ヤマドリ、また来る ヤマドリ、姿あらわさず 十月 ヤマドリ、音楽を聴く ヤマドリ、小道からおれを見下ろしていた 直子、ヤマドリを見る ヤマドリ、ピアノを聴く? ヤマドリ、裏の溝まで出てきた 野鳥か、順子か イノシシ、畑を荒らす ヤマはどうしたのか 誕生日 いつから年寄りか サツマイモ、イノシシに全部やられる 「こんなこと、初めてや」 ヤマと九日ぶり カチッカチッの声 ヤマ、郵便屋さん追いかけた ヤマ、わが前を歩く! ヤマ、わが車を追った? ヤマ、また音楽を聴く 「糠をなめてるところがかわいくて」 ヤマ、顔に飛びかってきた! ヤマの本名、ウスアカヤマドリ ヤマといっしょに水源へ行く! ヤマ、やはり車を追う 飛びかかりの行動 十一月 ヤマドリと散歩 ヤマといっしょに山道を散歩 「わしゃ七十年ここに住んどるが」 「おん鳥がなんでか赤いものを着てると」 ヤマ、腕に飛びついてきた ヤマ、姿を見せず チュクチュクの連発音 ヤマ、覆面におどろく ヤマ、小枝を投げるとこわがる ヤマの姿が‥ 見事な保護色に見えるが ヤマの声ではなかった ヤマ、肩に乗った! ニャーニャー ヤマの記憶力と社会性 子ネコ ヤマ、斜面から飛びついてくる! ヤマに野鳥の声のCDを聞かせる 仁清のキジ 「四月になると、バタバタッって地べた羽で叩いて」 ヤマの走る写真が撮れない 矢鋪さんから小米もらう ヤマ、四日ぶりに見る ガーガーがグーグーと聞こえる 「テレビに出さはったらどやろ」 ヤマ、小米食う 「ヤマドリは人になつくで」 カチカチの声 ヤマ、頭に飛び乗った! ヤマ、飛んだ、飛んだ! ヤマ、なぜ音楽を聴くのか ヤマ、散歩の近道をおぼえた ヤマ、雨なのに出てきた ヤマ、腕に乗って止まった! クモと巣 ヤマ、髪を引っぱる ヤマの社会性 「飛びかかってくる格好するわ」 ヤマ、直子といっしょに散歩 「だれか飼ってたんじゃないですか ヤマ、道路に近い畑に ヤマ、帽子一つで近づいてこない 十二月 ヤマドリ、頭に乗る 「だんだん近くに来よった」 ヤマ、木の皮をくちばしでむしり取ろうとする ヤマも食い気が本性 ガーガーの表記はグァーグァー ヤマ、また郵便屋さんを追う トレアドルラ ラララララー 傘をさしてヤマと散歩 ヤマ、カーディガンを噛んで宙ぶらりん ヤマ、カラスにおびえる ヤマ、長野さんたちと散歩 ピーッピーッという声 ヤマ、玄関に入る ヤマよ、ネコよ ヤマ、時計回りでまつわりつく ヤマの登場はラジオの音と関係ない ヤマの二つの態度 ヤマ、安子さんに飛びつく ピアノの部屋での興奮 「しゃあないねん、飛びついて来よんねん」″ ヤマ、斜面から飛びついてくるU 腕に乗るヤマを撮った ヤマ、横山さんといっしょに ヤマ、優ちゃんに飛びつく ヤマ、台所のガラスにぶつかる |
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